FAMILY'S INTERVIEW 武雄で暮らす人々

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矢野億子(okko)さん「人生は一度きり、行動しながら未来を描く」

2026.02.22

「okkoさん、一体何者なんですか?」

そう尋ねたくなるほど、彼女の名刺には書ききれないほどの肩書きが並んでいます。IT教室の講師、ラジオパーソナリティ、アート制作、さらにはメタバース空間での3Dアート……。自らを「一人カルチャーセンター」と称し、縦横無尽に活動するのが、矢野億子(やの・やすこ)さんです。

ご両親が「億万長者になるように」と名付けてくれた本名ですが、名刺に「億」という漢字を使っているため、よく「縁起が良い」と言われるそうです。「実際に私の名刺を持っていた方から『100万円当たった』、私の絵を買った方から『1億円当たってパネルにしてほしいと頼まれた』といったエピソードもあり、ありがたい名前をいただきました」と笑顔で語ります。

どこまでも明るく、周囲を巻き込むエネルギーに溢れた彼女。しかし、そのバイタリティの裏側には、若くして経験した大切な人との別れと、そこから辿り着いた「今、この瞬間を全力で生きる」という強い覚悟がありました。今回は、okkoさんの波乱万丈な歩みと、彼女が愛してやまない武雄での暮らしについて伺いました。

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「一人カルチャーセンター」okkoさん

伊万里で生まれ育ち、高校卒業後は先生の推薦で大阪の信用金庫に就職したokkoさん。当時は電車内で喧嘩が起きるような荒っぽい環境に身を置きながら、自分の身は自分で守るというたくましさを身につけました。その後、結婚を機に横浜や横須賀へ移り、子育てをしながらイラストライターとして活動するなど、各地を転々とする日々を送ります。

「基本的には『頼まれたらじゃあやってみよう』と応えているうちに、自然と活動の幅が広がっていきました。」

武雄に戻ってからは、未経験からパソコン教室に「先生になりたい」と直談判しました。当時は子育て中で、授乳しながら必死で試験の練習をして合格し、採用されたというたくましいエピソードも。そこから補助金申請のサポート、チョークアート、ドローン安全教室など、まさに「一人カルチャーセンター」の名にふさわしい多彩なスキルを次々と形にしてきました。

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悲しみを越えて見つけた、命の使い道

okkoさんの圧倒的な行動力の根底には、忘れられない過去があります。小学生の時に父を亡くし、初めての子どもは流産、弟が成人し、片親で支えてくれた母へ「やっと二人で恩返しができるね」と言っていた矢先に、弟を交通事故で亡くしました。

「人はいつどうなるかわからない。だから、彼らの分まで行動し、後悔しないように生きようという思いが根底にあります。」

その決意は、2015年にクラウドファンディングを活用して実現させた、ニューヨークでのアートパフォーマンスにも繋がっています。当時はまだ地方でクラウドファンディングの認知度が低く、「募金活動をしている」と勘違いされて心ない言葉をかけられることもありましたが、多くの方の支援を受け、タイムズスクエアやチェルシーのギャラリーでパフォーマンスを行った経験は、彼女の大きな一歩となりました。

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東京と武雄の2拠点で活動中!

毎月、東京に通い田舎と都会の違いや、メタバース、ChatGPTといった最新テクノロジーを地方の視点からどう活用するかといった情報を収集し、コンテンツビジネスのサポートをしています。「東京の人は忙しすぎて最先端のツールに触れる余裕がないことも多いので、私が先に試して教えることもあるんです。」と、地方ならではのフットワークの軽さを活かして最前線を走り続けています。

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武雄の「ハブ」として、次世代にノウハウを繋ぐ

現在はアートの作品作りを中心に、インターネットを活用した多様な働き方の啓蒙や、不登校の子供たちが資格試験を受けられる場作りなど、ITスキルを活かした地域のサポートも行っています。

「シェアリングエコノミーを使えば、田舎にいても、家から出られなくても仕事ができる時代です。 この教室はパソコン検定の指定校になっているため、学校に行けない不登校の子どもたちがお母さんと一緒に来て、資格試験を受けることもできる。『学校に行けなくても、こういう働き方があるんだよ』と、選択肢を提示してあげる場にもなっています。」

今年55歳という節目を迎え、これまでの歩みを“名刺代わり”の本にまとめる出版プロジェクトや、自身の原点である「絵(アート)」への専念など、彼女の挑戦は止まるところを知りません。

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武雄そしてお結び課について

ー 武雄市ってどんなところ?

「一言で言えば、『ちょうどいいコンパクトシティ』です。都会のような喧騒はなく、福岡や長崎へのアクセスも良く、インターネットさえあれば世界中と繋がれる。生活の質を高いまま維持しながら、自分らしく最高の働き方ができる環境です。」

ー 武雄市のおすすめのスポットは?

「武雄市図書館と温泉です。それから、温泉通りにある様々なアートを巡るのもおすすめですね。朝の空気の中でジョギングをして、温泉で汗を流し、図書館で仕事をする……そんな自分本来の姿に戻れる『人間らしい暮らし』がここにはあります。」

 

INFORMATION

矢野億子|okkoさん
instagram @okkographic
Web site ひだまりokko堂

 

編集後記

「何者かわからない」と言われるほど多才なokkoさん。しかしその活動のすべては、彼女の深い人生経験からくる「今を大切にする」という純粋な願いに繋がっていました。武雄という街で、自分らしく、そして誰かのために。okkoさんの周りには、これからも新しい可能性と笑顔が広がり続けていくはずです。

取材・撮影:落水恒介