武雄市役所から徒歩3分、
武雄温泉駅からも徒歩5分のいちょう通り沿いにある古着屋さん「SMILE」。
学生時代から古着とスケボーが大好きだったというCHUCKさんは、武雄という観光地で次世代の子どもたちや同世代の仲間、観光客が仲良くなり笑顔になってくれる橋渡しの役になりたいと2023年 当時23歳という若さでこのお店を立ち上げました。
今回は、武雄で古着屋「SMILE」を営むオーナー、CHUCK(チャック)こと朝長さんにお話を伺いました。
剣道少年が、スケートボードで「人生」を掴むまで
CHACKさんのルーツは、ここ武雄にあります。小中高と地元で過ごし、生活の中心は「剣道」。まさに武道に明け暮れる日々を送っていました。高校卒業後、地元の自動車部品工場に就職したのは「早く稼いで服が買いたかったから。」というシンプルな理由。
しかし、2年半が過ぎた頃、沸々と湧き上がる思いがありました。
「アパレルをやりたい。東京へ行こう。」
そう決めて貯金を始めた矢先、運命を変える出会いが訪れます。それは、武雄で開催されたスケートボードのイベントでした。
「そこで、アパレルブランド『SPINNS(スピンズ)』の方と出会ったんです。服が好きだって話で盛り上がって、『じゃあ、武雄でお店をやっちゃいなよ』って。工場の有給を消化している間に、もうお店のオープンが決まっていました(笑)。スケボーをやっていて本当によかった。人生を変えてくれた出会いでした。」
20歳で「店長」としてキャリアをスタート。家賃3万円という実験的な店舗でしたが、そこで3年間、商売の基礎とファンとの繋がりを築き上げました。
ラーメン一杯で作り上げた、自分たちの「城」
元々アパレルで独立したいと考えていたCHACKさんは『SPINNS』から独立することを決意します。選んだのは、隣に美容サロンがある、ずっと気になっていた空き物件。
「広くていいな、もったいないなとずっと思っていて。管理会社を教えてもらってすぐに電話しました。融資や補助金の手続きも自分で進めて。内装ですか? 塗装以外は全部DIYです。地元の友達に『ラーメン奢るから手伝って!』って声をかけて(笑)。天井を剥がして配管を剥き出しにしたり、自分たちの手で作り上げました」
そうして誕生したのが、古着屋「SMILE」です。
コンセプトは、気張ったヴィンテージではなく、「デイリーウェア(日常着)」。
「僕自身がスケーターなので、汚れても気にせず洗濯機に放り込める。それでいて、袖を通すとカッコいい。そんな、生活に寄り添う服を提案したいんです。」
「服を買わなくてもいい」街のハブとしての在り方
「SMILE」には、20代から30代を中心に、多様な人々が集まります。しかし、全員が服を目当てに来るわけではありません。
- 居酒屋の予約までの時間潰しに来る子
- お店の前でタバコを吸って帰るだけの子
- 店内の機材でDJの練習をしに来る子
「接客の理想は、近所のちょっと生意気な兄ちゃん(笑)。行きすぎないアシスト感を大切にしています。ここが、僕の周りの人たちがハッピーになれる場所になれば、それが一番。服を売る場所というより、街のハブ(拠点)でありたいんです。」
CHUCKさん自身も、DJとして夜の街を盛り上げます。川端通りで約30年の歴史を持つミュージックバー「Get Funk」でDJ仲間たちとイベントを開催することも。1990年代から2000年代のR&Bを響かせています。
店舗を増やすことよりも、今のお店をより良く、長く続けていくこと。
「SMILE」という名前の通り、CHUCKさんは今日もニコニコと笑いながら、武雄のストリートに新しいカルチャーを刻み続けています。
武雄そしてお結び課について
ー 武雄市ってどんなところ?
武雄、マジ最高。何もないから、自分たちで作れる。
最後に、CHUCKさんに武雄という街について聞いてみました。返ってきたのは、大好きなラッパー・ZORNの歌詞を引用した、こんな言葉でした。
「何もないけど全部ある」
「大きなショッピングモールがあるわけじゃない。でも、地元の友達がいて、集まって飯を食うだけで最高に楽しい。家賃も安くて住みやすいし、最近は同世代の奴らが居酒屋や美容室を始めたりして、若い力が動いている空気感がある。一言で言えば、武雄、マジ最高っす。」
ー 武雄市のおすすめのスポットは?
ミュージックバー「ゲットファンク(Get Funk)」川端通りにあるクラブです。キャパシティは広くありませんが、オーナーが音響機材に非常にこだわっており、「音がめちゃくちゃ良い!」
INFORMATION
SMILE(スマイル)
instagram @chuck_kota
instagram @smile_used_vintage
編集後記
武雄の日常を彩るセレクトと、オーナーCHUCKさんの笑顔が待つ古着屋。Instagramで見せる「ちょっとワルな雰囲気」と、会った時の「めちゃくちゃ笑うギャップ」も、お店の隠れた名物です。
取材・撮影:落水恒介